あの頃に戻りたいってまだ本気で考えている
今日もひとりぼっちのベッドで目を覚ます。隣にいたはずの夫はやっぱりいない。
世界は何事もなかったかのように日が昇っている。夫は死んだというのに、当然の如く日常
が繰り返されいる。なんとか日々生活している自分のことも本当は許せない。
これが現実なの?ここから抜け出す方法はないの?
夫の写真に向かって「おはよう」と挨拶をする。「おはよう」って聞こえる気がする。わか
ってる。現実は、夫の声を自分の脳内で再生しているだけ。その声もわたしの記憶が薄れて
いくにつれて、聞こえなくなってしまうのだろうか。
でもまだ覚えている。夫は確かにわたしのとなりにいた。わたしのとなりからは、いつもの
香りがする。見えないだけで側にいてくれているんだよね?
いつかはわたしもこの世界からいなくなる。夫と同じように。花が枯れるように、人の命も
消えていく。儚いからこそ大切に生きていかなければならない。でもそれを忘れて、時間を
いいかげんに使ってしまう。
明日が訪れるのがこわい。暗闇と孤独が少しずつ襲ってくる。気づいたころには、すっぽり
包まれてしまうかもしれない恐怖。
ふたりでいるなら大丈夫、何もこわくない。守ってくれるって約束したのに。
あの頃に戻りたいってまだ本気で考えている。
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